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2024年の未来像

愛犬を亡くした家族と、手放した家族

ある家族がペットショップで買った愛犬シロと暮らし始めて十数年、悲しいですがお別れのときがきました。
泣いて、思い出ばなしをして、少し笑顔を取り戻して、半年後にはもう一度犬と暮らそうと、今度は保護施設から引き取ろうと、家族で話し合いがはじまりました。


時を同じくして、5才の犬と暮らす別の家族が深刻な状況に置かれていました。 一家の大黒柱の会社が倒産し、1か月後にはペットが飼えない住宅への転居を余儀なくされました。友人や親戚に新しい飼い主を求めましたがみつからず、行政機関に持ち込むことを決断しました。

面談ののちに動物の持ち込みが決定すると、5才の犬は県内の保護団体に預けられました。同時にデータベースに情報が登録され、新しい家族との出会いを待ちます。


「この子シロに似てる!」

半年前に愛犬シロを亡くした、シロと同じ年齢の女の子が、タブレット端末に映った写真を見てこう言いました。
家族に写真を見せて同意を得た女の子は、2週間後にシロそっくりの犬と面会することになりました。

その後シロと家族に縁があったかどうかはご想像にお任せしますが、日本全国で同じようなことが起きています。
こうしたことは何十年も前からありましたが、今では保健所は例外なく民間団体と連携していて、殺処分をする場所ではなく、新しい家族を探す最初の中継点になっています。

※当団体の経験則では「似ている」と言って引き取る方もいれば、あえて「似ていない」子を選ぶ方もいます。 大切なのは、どんな理由であれ一頭の命が救われたことです。

つづく


作成:2014年6月15日/更新:2015年5月11日