噛みつこうとする子犬たちの受入
2025年03月14日
毎週金曜日は千葉受入の日。
なので、本日も千葉県動物愛護センターに行ってまいりました。
ライフボートでは、犬を保護する際に「素手で抱き上げることができるかどうか」を可否の判断基準の一つにしています。
シェルターにはたくさんの動物がいますから、一頭一頭にかけられる時間は決して多くはありません。
一方で、触ろうとしただけで、酷い時にはケージの扉を開けただけでも唸り、噛みつこうとする子犬に「人間は怖くない」ことを教えるのにはとてつもなく長い時間が必要です。
もちろん、そういった子も保護できるようになることを目指してはいますが、今のシェルターには人手も時間も場所も足りません。
ですので、センターのケージからキャリーケースに入れ替える段階で噛みついてくる子犬をその日の内に保護するのは難しいというのが現状です。
今日シェルターに来たのは子犬3頭。
とにかく怖くて固まる黒白くんと、怖さから来る威嚇行動で噛もうとしてくる茶黒兄妹です。
センターで顔を合わせた時、二頭はケージを開けた時点で唸り、撫でようと手を伸ばしたら鼻に皺を寄せ、噛もうとする素振りを見せました。
難しいかもしれないと思いましたが、敷かれていたタオルをそーっとかけたところ、唸りながらもタオル越しなら噛まずにジッとしていてくれました。
まずは背中を撫でることから始め、平気そうなら胸元を、それも大丈夫そうなら頭を撫で、お腹をさわって抱き上げる。
短時間でそれだけのステップアップをしなければいけないのは子犬にとってもすごく負担が大きいことだとは思いますが、これが出来ないとライフボートで保護することができません。
今日の子たちはどうにか抱き上げるところまで許してくれたので、シェルターに連れて帰ることができました。
センターではすごく怖い顔で威嚇してきた子犬たち。
少しでも人間と同じ空間で過ごす時間を長くとるために、飼育棟ではなく事務局にいてもらうことにしました。
シェルターに来たらゴール、というわけではなく、これからが子犬たちの頑張りどころ。
誰か一人だけがお世話をできればいいわけではないので、愛護センターに行ったスタッフと同じように飼育管理スタッフも触れるようになる必要があります。
犬が噛もうとする素振りを見せたら手を離し、もう一度背中から始めたり、しばらく間を空けてやり直したり、とセンターにいた時よりもゆっくり時間をかけて向き合います。
怖がりな犬との触れ合い方が上手なスタッフによって、ご覧の通り。
噛みついてしまうことなく抱き上げることができました。
そこまで悪い場所じゃないと思ってくれたのか、お部屋に戻した後にはケージ越しに兄妹と会話をしたり、男の子はしっぽを振ってにおいを嗅いでくれるようになりました。
それぞれの家族のもとへと巣立ってもらうためには唸ったり噛んだりしないように、人が怖くないことを伝えていかなければいけません。
毎日こつこつと、シェルターから巣立つ日までずっと。
子犬たちが人馴れできるように練習を続けます。
時々ここに登場することもあるかもしれません。
成長を見守っていただけたら嬉しいです。

